霞ヶ関か若洲か 五輪ゴルフ会場問題はなぜ盛り上がらず?
あまりに対照的だ。昨年末にドタバタした2020年東京五輪の競技会場計画の見直し問題。小池百合子都知事(64)が設置した調査チームが進めたプランということもあるが、バレーボール(有明アリーナ)、競泳(オリンピックアクアティクスセンター)、カヌー・ボート(海の森水上競技場)の3会場の見直しについて、マスコミは建設費や会場変更のメリット、デメリットなどを連日詳しく報じ、国民の関心も高かった。しかし、今年に入って浮上したゴルフの会場変更問題については、まったく盛り上がらない。
この件は年明け4日、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(79)が、会場である霞ケ関カンツリー倶楽部(埼玉県川越市)について、選手村から遠く輸送面で問題があるとの見方を示したことから、マスコミが徐々に取り上げるようになった。同CCは都心から70キロ以上も離れたところにあり、選手村(中央区晴海)から通うのは大変だ。しかも、日本屈指の名門コースで、ビジターは気軽にプレーできないばかりか女性の日曜日プレーは不可だ。某ゴルフ場の関係者が言う。
「霞ケ関CCは閉鎖的という批判を避けるため、県の市町村対抗ゴルフ大会や、一般ゴルファーが参加する市民大会などにコースを提供している。また、最近になって女性を正会員にすることを検討するという報道もあったが、それらは『アリバイ工作』みたいなもの。五輪レガシー(遺産)の面からも開催コースにふさわしくない」