3月場所の鬼門 稀勢の里を襲う“タブーなき”モンゴル相撲
「マジメな男。だからこそ心配です」
ある親方は、そう言って顔をしかめる。
1日から稽古を再開した横綱稀勢の里(30)。ここ1週間は昇進に伴う行事に追われ、この日は相撲を取らず、軽く体を動かすだけにとどめた。待望の和製横綱には、普段相撲を取材しないメディアも集結。「知らない顔が多いね」と、40人超の報道陣に苦笑いするも、「いい相撲を見せるのが仕事だから。しっかり稽古をするだけです」と続けた。
当然、3月場所で期待されるのは優勝の2文字。性格が性格だけに、琴奨菊のように初優勝で浮かれ、稽古をおろそかにすることはないだろう。となれば、最大の敵はやはり、復権をかけるモンゴル人3横綱ではないか。
この3人は、いずれも「衰えが顕著」といわれ、白鵬すらも先場所の14日目には平幕の貴ノ岩に敗れ、千秋楽では稀勢の里にも歯が立たなかった。だからといって、そう簡単に2場所連続で賜杯を許すほど、彼らは甘くない。
冒頭の親方が言う。