病み上がり杉内にも依存…実は苦しい巨人の先発投手事情
2015年10月の右股関節手術からの復活を目指し、キャンプ二軍スタートとなっていた杉内俊哉(36)が3日、2度目のブルペン投球を行った。
スライダー、チェンジアップを交え59球。この日は休養日だった一軍の尾花投手コーチら首脳陣も駆け付けた。杉内は、「まだまだだけど、初日に比べたら上出来。尾花さんは(昨)秋(キャンプ)も見てくれた。今日は(休みのため)ゴルフに行っていると思った。ボクが投げるから見に来ていただいたなら申し訳ないです」と話した。
杉内が言うように、一軍のコーチ陣がわざわざ休日を返上してまで視察に訪れたのは、杉内を頼りにしているからに他ならない。一軍の試合は1年以上のブランクがあるが、それでもアテにされるのは、オフに3年総額7億円でFA補強した山口俊が、右肩痛でキャンプ三軍スタートになるなど、大枚をはたいた補強選手がピリッとしないからでもある。巨人キャンプを視察している他球団スコアラーがこう言う。
「陽岱鋼やマギーらを補強した打線の方は活発になるだろうと警戒していますが、投手陣はどうか。FAの山口俊は出遅れていて、日本ハムからトレード移籍した吉川光も、栗山監督の構想から外れていたわけでしょ。新外国人のカミネロは外国人枠の壁があるし、投手陣の補強の上積みは、それほどないとみています。それどころか、菅野がWBCで疲弊して戻ってきたら、昨年より台所事情が苦しくなる可能性もある。我々、他球団はそこが狙い目ですが、問題は昨年丸々いなかった杉内。もし、山口俊が開幕に間に合わない場合、首脳陣は是が非でもローテーションに入れたいでしょう。もともとモノが違いますから、復調具合は気になるところです」
杉内は「あとはもう少し球威が上がってくれば」と、まだまだ復活への段階を踏んでいる最中としている。大型補強を敢行しても、投手の方はフタを開けてみないと分からない――首脳陣の杉内依存は、不安の裏返しでもある。