新コースで異次元記録 キプサング2時間3分ショーの舞台裏
記録に注目が集まった今年の東京マラソン。日本勢は不甲斐ない結果に終わったが、海外招待選手のウィルソン・キプサング(34=ケニア)は、国内初の2時間3分台となる2時間3分58秒の記録で優勝した。
11回目を迎えた今年の大会は、ゴールを臨海副都心の東京ビッグサイトから東京駅前に変更。昨年まで選手を泣かせた終盤の激しいアップダウンをなくし、平坦なコースで好記録を狙わせた。
大会関係者は当初、交通規制や周辺住民への影響なども考え、コース変更には消極的だった。
しかし、07年から始まった東京マラソンは13年にワールドマラソンメジャーズ(WMM)に加入。ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨークシティーという世界の5大マラソン大会に肩を並べることになったものの「実質」が伴っていなかった。
06年に主要5大会でスタートしたWMMは、五輪や2年おきの世界選手権も含めて1年間の成績を順位でポイント化し、総合優勝者に賞金50万ドル(約5600万円)が贈られるマラソンシリーズ。歴史が浅く、中途加入の東京マラソンは、世界ではまだまだ知名度が低く、大会の格も下に見られている。