16歳スイマー池江璃花子 コーチが明かす「大人への階段」
鉄人女子高生スイマーが変貌を遂げている。
自由形3種目(50、100、200メートル)、バタフライ2種目(50、100メートル)の計5種目で日本記録を保持する池江璃花子(16=淑徳巣鴨高2年)。昨夏のリオ五輪ではメダルなしに終わったが、今年7月の世界選手権(ハンガリー・ブダペスト)では、複数種目での表彰台が期待されている。
池江はシニアデビューした2014年の日本選手権以降、大会に出場するたびに自己ベストはもちろん、日本記録を塗り替えてきた。そのルックスとは対照的に、ほとんどの大会で複数のレースをこなす鉄人ぶりも話題を呼んだ。
今年4月の日本選手権で代表権を勝ち取ってからは、世界選手権に向けて連日ハードな泳ぎ込みを行っているが、肉体よりも精神的疲労がピークに達しているという。
理由がある。所属クラブのルネサンス亀戸で池江を指導する村上二美也コーチ(57)は、「子供から大人へ移行する時期なのでしょう」と、こう続けるのだ。
「今までは、ただガムシャラにやってきたけど、自分の立ち位置が分かってきたのでしょう。高2ながら今や女子のトップスイマー。代表チームを引っ張ろうという気持ちが出てきたようです。本人は口には出しませんが、時折、思い悩んでいるような表情を見せるようになりました。自分の泳ぎだけでなく、チームのことも考えるようになったのは精神的に成長している証拠だと思います」
池江は18日、19日開幕の競泳のジャパンオープンの公式練習に参加。「1種目でも自己ベストを更新して世界選手権につなげたい」と話した。
大人になった池江の泳ぎも楽しみだ。