土下座の父見て脱走癖改心 新大関・高安の知られざる素顔
■断酒で臨んだ5月場所
好物は母の作ったフィリピン風ビーフシチューだという高安は、角界でも有数の大食い力士。部屋関係者によれば「ほっとけばいつまでも食べてるし、目の前に食べ物があれば、なくなるまで平らげる」とのこと。本人も「節制しなかったら、200キロを超える自信がある」と豪語している。
酒も何でもござれ。場所中であろうがなかろうが関係なく飲んでいた高安だったが、5月場所は違った。
「場所中に一度も酒を飲まなかったのは、今場所が初めてじゃないか。それだけ大関昇進に向けて気持ちが入っていたことに加えて、稀勢の里もここ数場所は酒を控えていますからね。高安も触発されたのでしょう」(相撲記者)
稀勢の里は横綱昇進後、「高安を大関に引っ張り上げるのは自分の義務」と話していた。そんな兄弟子の期待に背くわけにはいかない。それだけに今場所は普段以上に気合が入っていたという。
前出の浅倉教諭が言う。
「去年も1回だけ大関とりの場所があった(11月場所)。その前に本人と会ったら、『自分には無理じゃないか』と珍しく弱気だったんです。その言葉通り、失敗してしまった。それが今場所は表情から違っていたので、安心して見ることができました」
稀勢の里と並ぶ同部屋横綱が誕生すれば協会も万々歳だが……。