無念休場の稀勢の里に理事親方「いい勉強」と前向き発言
和製横綱が力尽きた。
23日に琴奨菊に敗れ、4敗となっていた稀勢の里(30)。24日、休場届と医師の診断書を提出した。田子ノ浦親方(元平幕隆の鶴)は報道陣に、「力が入らず、相撲にならないと本人が言ってきた」と説明。診断書には先場所と同様、「左大胸筋損傷と左上腕二頭筋損傷」で、「約1カ月の通院加療を要する」とあった。
場所前には、「無理に土俵に上がれば、ケガが悪化しかねない。5月は休場して、7月場所に備えるべきでは」という声も角界にはあった。それでも“強行出場”をした結果がコレだが、だからといって今場所のすべてが無駄になったわけではない。
尾車理事(元大関琴風)に聞くと、「場所前の出稽古や取り口は、今後に生かせるのでは」と、こう続けた。
「今まで行かなかった出稽古に、場所前は熱心だったでしょう。あれはケガもあってか、『いつまでも弟弟子の高安とばかり稽古していてはダメだ』と思ったからではないか。左を使えないからか、右から差して左まわしを取るなど、ウチの部屋に来た時も考えながら、いろいろと確かめていた」