大関昇進内定も…稀勢の里より険しい高安の綱取りロード
その道のりは並大抵ではない。
大関昇進が内定している高安(27)。夏場所で11勝を挙げ3場所で34勝とし、昇進基準である「三役で3場所33勝以上」をクリア。大関昇進を諮る31日の臨時理事会の開催も満場一致で決定し、後は伝達の使者を待つばかりとなった。
29日の一夜明け会見では四股名を本名の「高安」から変えないことと共に、「次は優勝したい」との意気込みもあらわにした高安。この3場所の相撲ぶりを見れば、優勝、さらなる昇進の期待も高まる。
もちろん、綱とりがいかに困難であるかは、言うまでもない。過去には何人もの大関が重圧に負け、「2場所連続優勝、あるいはそれに準ずる成績」という基準を果たせなかった。稀勢の里が昨年1年、何度も足踏みしたのは記憶に新しい。
ある親方は「しかも、高安の場合はさらにハードルが跳ね上がる」と、こう続ける。
「現在は4横綱。特にルールがあるわけじゃないが、過去に5横綱だったことは一度もない。もし、このまま誰も引退せずに高安も挑戦となれば、当然、昇進基準はこれまで以上に厳格になる。例えば稀勢の里は本来、綱とり場所ではなかった1月場所で優勝し、昇進を決めた。これは年間最多勝という実績もさることながら、『久々の日本人横綱を!』という相撲協会の思惑があったからです。言わば、ゲタを履かせてもらった。しかし、待望の日本人横綱は誕生したばかりで、横綱の頭数は過去最多タイ。高安もとなれば、協会も慎重になるでしょう」
高安は2場所連続優勝で、誰も文句は言えない成績を残すしかない。