阪神株主「フロント大改革」要求に野﨑元球団社長が提言
「阪神はあくまで阪神タイガースで継続してほしいと考えていますが、今は『超変革』のチームスローガンを掲げた金本監督がひとりで現場の改革をやっている印象を受ける。フロントはメリハリのある経営をしていかないと、ファンからも見放される恐れがある」
とは、リーグ優勝を果たした03年時の球団社長・野﨑勝義氏だ。
「阪神という会社は良くいえば温情があるのですが、組織内の競争力に乏しい傾向がある。『純血主義』で外部の人間も少ない。外部から優秀な人材を入れ、なおかつ経営をスリム化できると思う。たとえばスカウトです。私は社長時代10人以上いたのを4人に減らし、外部から人材を引き入れた。しかし今年は10人と再び増加している。人数が多いと責任の所在が曖昧になり、失敗しないことに重点を置きがちになる。年功序列で出世できる組織では停滞します。最近は前進していると感じる部分はありますが、まだ甘いと言わざるを得ません。社内での競争力を向上させ、個々の成果についてはきちんと評価をする。サボっていたらペナルティーを与える必要がある。組織を活性化させ、個々のモチベーションを高めることで、フロントはより強固になるはずです」
この日のスポーツ紙では、助っ人獲得やドラフトなど、フロントの動きが派手に紙面を飾った。彼らのアピールにも見えるが、阪急や株主から“ツッコミ”を入れられないような体制づくりが先決であり急務である。