阪神・糸井緊急交代で想起させる元オリFA選手の“黒歴史”
その瞬間、ベンチが凍りついた。
阪神の糸井(35)が9日のソフトバンク戦の六回、安打を放った直後に代走を告げられ途中交代。足を引きずるようにベンチに下がった。その直後、左太ももをアイシングした状態で、試合中にトレーナーに付き添われ病院送りとなったのだ。報道陣の問いかけには無言だった。
糸井は日本ハム時代からめったなことでは痛いかゆいは言わなかった。そんな男が音を上げるくらいだから、状態は良くないのだろう。
ただでさえ糸井は両ひざに古傷を抱えている。開幕直後は絶好調だったが、5月は打率.244、6月は打率.219、0本塁打、2打点と成績は下降線。56試合を消化し、疲労もたまっている。5月下旬の巨人戦の守備の際にフェンスに激突、右ひざをぶつけた後遺症を指摘する関係者もいる。
過去にオリックスからFAで阪神にやってきた選手は、総じてオリックス時代よりも成績を落とす傾向がある。石嶺和彦、山沖之彦、星野伸之、日高剛しかりだ。山沖は故障もあり、1試合も登板しないまま1年間で現役を引退している。それぞれ峠を越した状態で阪神入りしていることも原因だろう。糸井は今年で36歳。杞憂に終わればいいのだが……。