先輩左腕と同じ…筒香の1発で負けた岩貞のミスは“阪神病”
ビデオを見ているような試合だった。
阪神先発の岩貞は六回までDeNA打線を無失点に抑えていたが、七回の先頭・筒香に高めの甘い初球を右翼席へたたき込まれた。結局岩貞は、8回を投げ3安打、9奪三振、1失点で(4勝)7敗目。貧打の阪神は岩貞の悔やまれる失投もあって今季8度目の完封負け。DeNAと同率2位に並んだ。
それにしても、この日のやられ方は「あの試合」と酷似している。それは昨年4月1日のDeNA戦だ。この試合、先発能見は八回まで3安打、7奪三振、無失点の好投を見せていた。1点リードで九回のマウンドに上がると、先頭の筒香に真ん中高めの直球を左翼席に同点弾を運ばれ、代わった歳内が下園にサヨナラ打を許した。
就任後、初のサヨナラ負けとなった金本監督は「失敗は、先頭の筒香の入り方だけ。あそこだけ」と言って悔やんだ。先輩が犯した「重大ミス」を、1年以上経って同じ左腕の岩貞が繰り返したのだ。
今季の筒香は本調子ではないものの、昨年の2冠(本塁打、打点)で日本代表の4番だ。23日の巨人戦でもサヨナラ2ランを打っている。そんな主砲に対し、大事な場面で高めの甘い球が禁物であることは高校生でも知っている。
筒香に初球を打たれた岩貞は「長打がNG(駄目)のところで打たれた」と反省したが、阪神の投手陣がここぞというときに致命的なミスが多いのは、技術だけの問題ではないのではないか。