35歳やる気満々 “大物食い”嘉風の関脇復帰に上位陣警戒
老いてますます盛ん、という言葉はこの力士のためにある。
35歳のベテラン嘉風が、28日に発表された9月場所の新番付で関脇に返り咲いた。嘉風は昨年1月場所で初めて関脇に昇進。2場所で陥落したが、1年半ぶりの復帰となった。35歳5カ月での関脇昇進は昭和生まれ以降、最高齢という記録だ。
「キレは20代後半の方があったけど、今が一番、力を出せる」と、やる気に満ちている嘉風。これに戦々恐々なのが、上位陣だろう。
先場所は初日から日馬富士、豪栄道を立て続けに破るなど、1横綱2大関を撃破。5月場所の初日でも稀勢の里を圧倒し、2横綱1大関に土をつけた。大物食いには定評がある。
本人が話す通り、相撲巧者ぶりに磨きがかかり、土俵上の駆け引きも円熟味を増すばかり。白鵬とは1勝15敗と相性が悪いが、相撲記者は「白鵬も嘉風を嫌っている」と、こう言う。
「先場所は立ち合いからの変化であっさりと嘉風を送り出したが、これは相撲が長引くことを白鵬が恐れたからでしょう。昨年3月場所の対戦では、寄り切った直後にダメ押しの投げまで打った。このせいで、井筒審判長が土俵下に落ちた嘉風の下敷きになって左足を骨折した。白鵬にとって、ハッキリと決着がつくまでは一瞬たりとも油断できない相手が嘉風なんです」