巨人打撃コーチ3人制に疑問 “船頭多くして”はマイナス大
ピント外れもいいところではないか。
10日に発表された来季の巨人一軍スタッフの陣容を見て、まずそう思った。メディアによれば、目玉は打撃コーチ3人制だとか。復帰した吉村打撃総合コーチ、留任した二岡打撃コーチ、二軍から配置転換された小関打撃コーチのトロイカ体制で貧打からの脱却を図るというのだが、これが思惑通りに機能するのか、大いに疑問だ。
私の横浜監督時代、打撃コーチは1人だった。もちろん、投手担当もベンチとブルペンに1人ずつ。指揮系統を一本化することで選手の混乱を防ぎ、コーチにもそれぞれの担当部門で責任を持ってもらうためだった。
コーチは多ければいいというものではない。人数がいればいるほど、選手は誰の言うことを聞けばいいのか迷うし、あっちの顔もこっちの顔も立てなければと、いらぬ気を使うことにもなる。コーチはコーチで責任の所在が曖昧になり、チームや選手との向き合い方に問題が生じる可能性も出てくる。むしろマイナス面が大きいと、私は以前から複数コーチ制を否定してきた。
来季の巨人の陣容を見ると、投手部門も斎藤投手総合コーチに豊田一軍投手コーチ、トレーニング担当を兼務する木村投手コーチの3人制。「船頭多くして」の例えじゃないが、選手は大変だろうと同情する。