仮に清宮を預かるなら コーチには「指導禁止」と指示する
早実の清宮幸太郎くん(3年)がプロ入りを表明した。史上最多の高校通算111本塁打。スター性もあるこの超高校級スラッガーには、今秋ドラフトで10球団前後の1位指名が競合すると予想されている。仮に私が彼を預かることになったとしたら、コーチには真っ先にこう指示を出す。
「打撃に関しては指導もアドバイスも禁止。本人が助けを求めてきたら別だが、こちらから教えてはいけない。ジーッと見てればいい。放っておきなさい」
プロ野球のコーチには教えたがり、イジりたがりが少なくないが、そういう人たちも間違ったことは教えない。そこは、曲がりなりにもプロの指導者である。理論や方法論に違いはあっても、アドバイスはほとんど正しいと思っていい。
これが厄介なのだ。見当違いのことを言われれば、“いやいや、それは違うでしょ”と聞き流すこともできなくはない。しかし、正しいアドバイスはそういうわけにはいかない。
■大学進学もありだった
なるほど、といちいち納得してしまう。あれもこれも、言われたことはやらなければ、と取り入れる。そうやって、自分のリズムを見失い、混乱し、本来の姿を取り戻せなくなる選手を私は何人も見てきた。