現役続行表明 元王者・山中慎介がベルトを失って得たもの
今後のボクシング人生を考えると、これでよかったのかもしれない。1日、ボクシング元WBCバンタム級世界王者、山中慎介(35)が現役続行を明らかにした。
「負けて悔いが残った」と会見で話した一件は、8月に行われた13回目の防衛戦でプロ初黒星となる4回TKO負けのことだ。しかし、その後に新王者のネリ(22=メキシコ)にドーピング疑惑が噴出。WBCは調査を行ったものの、そこはメキシコシティーに本部を置く認定団体だ。多くのボクシング関係者の予想通り、ネリは“無罪放免”。
試合後、しばらく去就に悩んでいた山中も、現在はWBCの再戦指令に「ネリとやりたい」と意気込んでいる。
ジム関係者が言う。
「山中にとってはむしろ、負けてよかったとも言える。近年の山中は『神の左』と呼ばれる左パンチにこだわり過ぎていたのか、全体的に手数が減り、それでいてガードも甘くなっていた。8月のネリ戦でも一方的に打たれ続け、陣営がタオルを投入したほどです。山中自身も当時、『納得のいく勝ち方なら引退していたかも』と話していたように、燃え尽きる寸前だった。それが再び闘争心に火がついた。挑戦者という立場なので、積極的なボクシングが戻るでしょう」