ネリ薬物疑惑で現実味も 山中慎介の王者復帰に数々の難問
失意の「神の左」にまさかの展開が待っていた。
15日のWBC世界バンタム級タイトルマッチに敗れ、ベルトを失った山中慎介(34)。しかし、23日(日本時間24日)、WBCは新王者のルイス・ネリ(22=メキシコ)がドーピング検査で陽性反応があったことを公式サイトで発表したのだ。
WBCは今後も調査を続けるというが、考えられる展開は3通り。ひとつはネリのドーピングが故意ではないと判定された場合だ。今回、検出された禁止薬物「ジルパテロール」は家畜を育てるために使われることがあるという。その肉と知らずにネリが食べたと認められたら、何の処分も下されない可能性が高い。
先日の防衛戦が無効試合となり、ネリがベルトを剥奪された場合は、さらに2通りの「裁定」が想定される。山中が一方的にTKO負けしたことを鑑みて、王座そのものが空位になるケースがひとつ。
問題は山中にベルトが戻ってきた場合だ。先日のプロ初黒星は無効になるため、山中は12回連続防衛中。世界王座13回防衛、通称「具志堅記録」への挑戦は、途切れていないことになる。