久保裕也<3>重圧を感じないときはスムーズにプレーできた
普段の彼は、23歳の等身大の若者なのだ。
しかし、ピッチに立つと表情が一変。修行僧のような厳しい形相で、一目散にゴールに向かう。「子供の頃から点を取るのが好きだった」と言う久保は、それこそ何万回と強いボールを蹴る練習を重ねてここまで来た。
「地元・山口の維新(百年記念)公園に芝生のグラウンドがあって、中学の頃は朝と夜に自主練に出かけ、とにかくボールを蹴っていました。ひざから下の振りとかは、そのときの練習で鋭くなったのかな。僕のシュートはフォームがキレイなわけでもないけど、決め切る自信はあります。自然に体が動くままにプレーできるように“自分の形”をつくることが大事です」
■監督の言うことを消化できなかった
3月のUAE(アルアイン)、タイ(埼玉)とのW杯予選2連戦で連続ゴールを決めたときの久保は、まさに「ゾーンに入った状態」だった。
「3月の時はいい感じで力が抜けてリキんでなかったかな。重圧とかを感じない時はスムーズに、フレッシュにプレーできているんだと思います」