一門の制止振り切り 貴乃花親方「理事選立候補」の全真相
要するに、事態を丸く収めようと思ったら、最終的に貴乃花親方が立候補を断念する以外になかったのだ。一派からの候補者が阿武松親方1人であれば、理事選の立候補者は計10人で無投票になる。それでも貴乃花親方は立候補する。他の一門の9人が票を固めているとなると、選挙はおそらく阿武松親方の後塵を拝する負け戦。わざわざ落選して赤っ恥をかきにいくようなものだ。実際、シンパの親方には強く自重を促されたらしいが、
「それでも貴乃花親方は耳を貸さず、あえて立候補したともっぱらです」と、別の親方がこう言った。
■裏切り者をあぶり出す狙い
「貴乃花親方は立候補して選挙戦に持ち込み、裏切り者をあぶり出すというのです。親方衆の中には一門外でも、こっそりと貴乃花親方にいい顔をするのがいるといいますからね。彼らが本当に自分に忠誠を誓うのか、それとも単に上っ面だけなのか、見極めたいのでしょう。貴乃花親方ってのは、かなり執念深い。転んでもただでは起きませんからね」
いずれにせよ一門内外から29票を集めて3人を理事にした前回の理事選時と比べて、勢力が大幅にダウンしているのは間違いない。協会には「隠れ貴乃花」がかなりいるというメディアも中にはあるが、仮にそれが本当なら最初からすんなり貴乃花親方と阿武松親方の2人が立候補すれば済む話。一門会がここまでこじれるはずがない。2人が当選するだけの票が集まらないからこそ、場所中から何度も一門会を開催せざるを得なかったのだ。