春日野親方が明かす 初V栃ノ心の入門秘話と四股名の由来
「親方から女将さんから、春日野部屋の後援会の皆さん、日本人の皆さん、私の国の皆さん、応援がいっぱいでありがとうございました!」
28日に幕を閉じた大相撲1月場所。2012年の旭天鵬(現友綱親方)以来、6年ぶりの平幕優勝を飾った栃ノ心(30)は、少したどたどしい日本語でインタビューに答えた。
1987年、ジョージア(旧グルジア)生まれ。当初は柔道に熱心だったが、04年の世界ジュニア相撲選手権大会に出場し、いきなり3位入賞を果たした。翌05年に来日。師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)は当時をこう振り返る。
「以前も入門希望の外国人は何人もいましたが、雰囲気や稽古が肌に合わないのか、帰ってしまう。12月に来日した栃ノ心もご家族が亡くなって、すぐに帰国したんです。『もう来てくれないな』と思っていたら、連絡があって再来日です。最初の印象? ゴツいなあ、本当に18歳か? と(笑い)」
入門後は言葉の壁はもちろん、文化の違い、相撲部屋独特の習慣に悩まされた。服装違反で親方に怒られたことも数知れず。門限を破ってゴルフクラブのグリップ部分で殴られたこともあった。それでも常に前向き。ともに新十両に昇進した岩友親方(元前頭木村山)にも「愛情があるから怒るんだ。悪いと思ったら、一緒に謝ってやるから」などの助言を受け、徐々に角界に馴染んでいった。