直前W杯Vも落とし穴に ノルディック渡部暁斗LH惨敗の理由
■白馬にトップ選手は来日せず
今季の渡部はW杯の開幕2戦目に優勝。五輪直前には4連勝もあり、6戦連続で表彰台にも乗った。多くのマスコミは「金メダルの大本命」と持ち上げていた。
前出の関係者は「渡部は11~12年シーズンから昨季まで(W杯)個人総合では常にベスト3に入っている。今季もここまでトップですから実力は本物ですが……」と言って、こう続けた。
「例えば、4連勝の最後は渡部の地元である白馬の大会です。白馬でのW杯開催は15年ぶりなんですが、欧州の強豪は五輪に向けて自国での調整を優先して不参加だった。だから、通常は60人で行われるW杯に38人しか出なかった。ポイントランキングのベスト10で来日したのは2位のシュミット(ノルウェー)だけでした。白馬での第2戦はシュミットが優勝で渡部は3位。2位はランク16位のエストニアの選手でした。渡部が白馬の前のゼーフェルト(オーストリア)で3連勝したのも、欧州勢はすでに五輪の調整に入っていたからです。マスコミは、メダルが取れる、大いに期待できるとあおるより、不安な点を指摘した方が選手にとってはプラスになる」