1安打零封12Kで2勝目 エンゼルス大谷“神懸かり投”の要因

公開日: 更新日:

 特に序盤はその意識が強かった。三回2死を取るまで、ストレートの最速は155キロ。前回登板の平均にも満たない球速に抑える分、低めへの制球を意識した。前回登板で見られたような高めに抜けたり、地面にたたきつけたりするボールは序盤、ほとんど見られなかった。速い球を投げようと力み、投げた後に体が一塁や三塁方向に倒れるようなこともなかった。

 四回までに奪った7つの三振はすべて、右打者から見て外角低めギリギリへのもの。この日の最速は四回に2番セミエン、五回に5番オルソンから空振り三振を奪った際の160キロ。中盤、力みから球が若干、上ずってバランスを崩すシーンもあるにはあったものの、制球を強く意識した投球が、この日の好投につながった。

 六回まで安打も四球もなし。自軍ベンチも本拠地の観客も完全試合を期待し始めた七回、本人もさすがに意識したのか、制球が乱れた。

 七回1死後、2番セミエンにカウント2ボールから甘く入った直球を捉えられ、遊撃の頭上を越す左前打を許す。球団史上11度目の偉業を逃し、スタンドからはため息が漏れた。異様な雰囲気に包まれる中、続くローリーはストレートの四球。この試合、初めて得点圏に走者を背負ったが、後続を打ち取ってピンチを脱した。最後のオルソンをスプリットでバットに空を切らせると、珍しく雄叫びを上げながらガッツポーズを見せた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動