なぜ? ボストン出場のMGCファイナリストは川内優輝だけ
陸上ジャーナリストの菅原勲氏は「同感です」と言ってこう続ける。
「実業団に所属していれば、監督の方針に従わざるをえない。会社や監督が海外レースに出場する必要性を感じていないのか。私が解せないのは、陸連のマラソン強化の瀬古リーダーが、選手たちに参加を促さないことです。瀬古リーダー自身、早大時代からボストンに出て、ロンドンもシカゴも制覇し、海外レースの重要性は知っているはずです。五輪が開催される2020年の4月に海外レースを走る人はまずいない。ならば、4月のボストンとロンドンは今年と来年しか出場チャンスはない。いくら自国開催の五輪とはいっても、国内レースの経験だけでは結果は知れています」
暑さが苦手な川内は東京五輪出場に消極的だが、公務員(埼玉県職員)のため実業団のような「縛り」がない。これまで、ハンブルク(ドイツ)、チューリヒ(スイス)、ポルト(ポルトガル)、ゴールドコースト(オーストラリア)、ベルリン(ドイツ)、ニューヨーク(米国)、プラハ(チェコ)、ストックホルム(スウェーデン)、ロンドン(英国)など多くの国際大会を経験している。
実業団選手に同じことはできなくても、可能な限り海外レースに出ることは、プラスにはなってもマイナスになることは絶対にない。