スケート勢は300日合宿 マラソン界に足りない覚悟と本気
皆で流した汗は報われた。
スピードスケート女子パシュート決勝に進出した高木美帆(23)、高木菜那(25)、佐藤綾乃(21)の日本が五輪記録でオランダを破り、念願の金メダルを獲得した。同種目では2010年バンクーバー五輪銀メダル以来、2大会ぶりのメダルとなった。高木美は1500メートルの銀、1000メートルの銅に続いて、メダル3色を揃える日本初の快挙である。
かつて「お家芸」といわれた日本のスピードスケートも、14年ソチ五輪ではメダルなしに終わったことでスケート連盟は再建策を検討。同年夏に新しい形のナショナルチーム(NT)を発足させ、翌年はスケート王国のオランダからヨハン・デビット氏(38)を中・長距離担当のヘッドコーチとして招聘した。
NTのメンバー(現在は23人)はデビット・コーチの指導の下、年間300日の合宿を行い、限界を伸ばす体力強化や食事の管理などを徹底させた。
とはいえ常設のNTメンバーにはそれぞれ所属先がある。当初は、選手を長期間手放すことに反発する企業もあった。それを、ソチの惨敗を繰り返すわけにはいかないスケート連盟が、「平昌五輪のメダルは東京五輪につながる」と説き伏せたのだ。