63年ぶり20得点 巨人の歴史的大勝に見えた“首脳陣のスキ”
用兵といえば、上原浩治(43)の扱いにしてもそうだ。上原はリリーフ登板した15日の広島戦で2試合連続の負け投手になって以来、一度もマウンドに上がっていない。この日もブルペンで準備をしながら、声がかからなかった。勝ち試合のセットアッパーから外しながら、首脳陣は一軍に置いたまま復調を待つという方法を取っている。
「3月に電撃的に巨人復帰が決まった上原はキャンプをやっていない。投球フォームにどっしりとした安定感がなく、直球のキレがないのは明らかに調整不足が原因です。今の上原に必要なのは、徹底的に走り込み、ノックを受けて下半身の安定感を取り戻すこと。それができて初めて彼の経験や投球術が生きてくる。一軍に置いておいては、そういう鍛錬ができません。これも明らかに首脳陣の判断ミスだと思う。相変わらず力任せの沢村といい、制球の不安を抱える抑えのカミネロといい、今のうちにリリーフ陣を立て直しておかないことには、とても優勝奪回は見えてきません」(前出の中村氏)
勝率5割に復帰した高橋由伸監督は「みんながよくつないだ。チーム打撃、走者を進める打撃、いい攻撃がたくさんできた。5連勝は大きい」と目を細めたが、上位球団を追うにはまだまだ問題が多い。