63年ぶり20得点 巨人の歴史的大勝に見えた“首脳陣のスキ”
スポーツ紙いわく、歴史的大勝だそうである。
巨人打線が17安打20得点と中日投手陣を粉砕した25日の試合。巨人の1試合20得点は1955年以来、実に63年ぶり10度目のことだと過去の記録をひっくり返して大騒ぎし、5連勝で5割に復帰した巨人の“快進撃”をあおっている。
巨人OBの評論家、中村稔氏がこう言う。
「巨人打線の破壊力を見せつけたというより、とにかく中日の投手陣がひどかった。11四死球も与えたんじゃ勝負になりません。あまりに一方的な試合展開で見逃されがちですが、気になったのは高橋監督の用兵です。この日、4打数3安打4打点と爆発した3番のゲレーロを五回の打席が終わるとベンチに下げた。お役御免で休養を与えたということでしょうが、昨年の本塁打王は当然、2年連続のタイトル獲得がモチベーションのひとつになっている。
打率と違って本塁打と打点は積み重ね。こういう試合こそ彼らにとって数字の稼ぎ時で、休養を与えるより、打席に立たせてやった方が、気分が乗るものです。ましてや、助っ人のほとんどは成績によってインセンティブがついている。そういう選手心理に考えが及ばないところに、むしろ不安を感じてしまうのです」