不満抱え来日も…ハリル氏“大人の対応”の裏にソロバン勘定
日本代表監督を電撃解任されたハリルホジッチ氏(65)が27日午後、都内の日本記者クラブで会見を行った。解任劇を「悪夢」と表現し、「私自身に対するリスペクトがない」と不満は口にしたものの、「一体何が(解任の裏側に)あったのか、私が皆さんに問いたい」「とにかく失望した」「今は深い悲しみの中にある」と繰り返すだけで、任免権者である日本サッカー協会(JFA)の田嶋会長への痛烈な恨み節もなければ、代表監督をサポートすべき技術委員会・西野委員長が後任監督に就いたことへの不満など一切なかった。
「解任劇の舞台裏に関する新事実も出てこず、サッカー関係者への明確な批判もなかった。いたって平穏無事な会見と言っていいでしょう。集まった300人以上のメディアにしてみたら、舌鋒鋭いハリルホジッチ節を期待した部分は当然あり、会見場には消化不良感が漂っていました」(元サッカーダイジェスト編集長の六川享氏)
どうしてハリルは「冷静な元監督」を演じたのだろうか?
「在任中は選手選考、戦術、選手起用に対する疑問が代表選手からも漏れていたし、ビッグ3のFW本田、FW岡崎、MF香川を代表から外したことでJFAの大スポンサー筋からの不満も表面化していた。さらに視聴率が上向かないテレビ局からのプレッシャーも、ハリル解任の引き金になったのは間違いない。しかしながら田嶋会長の解任理由の曖昧さ、後任の西野さんが日本代表を一度も率いたことがないデタラメさが、世に広まるにつれて『ハリルさんが可哀想』という世論が形成されてきた。ハリルの所属事務所サイドは『フランスの自宅にいたら、日本メディアの直撃を受けてペラペラしゃべってしまう恐れがある。早く来日させて“囲い込む”ことで口封じした方が今後、サッカー界でビジネスを展開するのに好都合』という判断が働き、それが21日の来日―27日の記者会見という変則な流れになったようです」(放送関係者)