著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

衣笠祥雄さんの死に思う “鉄人”と簡略化することの危うさ

公開日: 更新日:

 元広島の衣笠祥雄さんが亡くなった。享年71。鉄人と呼ばれた男にしてはあまりに早すぎる死。なんでも、大腸がんを患っていたという。

 このニュースがいかに衝撃的であったかは、大阪のデイリースポーツが1面で報じたことからもよくわかる。いつなんどきでも阪神推しの1面で知られるデイリーが特例を認めたということだ。

 もちろん、団塊ジュニア世代の私にとってもそうだった。衣笠さんといえば少年時代のスーパースターである。当時から虎党だった私は掛布雅之に心酔する一方で、黄金時代の赤ヘル軍団を支えた、いわゆるYK砲(山本浩二&衣笠祥雄)に畏怖の念を抱いていた。

 とりわけ衣笠さんは不思議な選手で、なんというか野生動物がそのままバットとグラブを持っているような、技術よりも勘と本能でプレーしているような、そんな荒々しい迫力を感じさせた。のちに彼がアフリカ系アメリカ人と日本人のハーフであることを知り、その外見も含めて妙に納得したことを覚えている。

 そして今回の訃報を受けて、当然のようにクローズアップされる連続試合出場記録。どの報道においても、この偉業のおさらいが大半を占めていて、あらためて日本人は皆勤賞の類いを好む、つまりケガや病気をこらえる根性を美徳とする民族なのだと思い知った。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇