14試合連続無失点 Dバックス平野の“覚醒”の裏に右足の変化
「渡米当初は日本時代と同じフォームでした。現在はリリースの際、右足を三塁側に強く跳ね上げるようになった。左足で踏ん張ったときの力を逃がすことで、制球が安定。上原(現巨人)も、同じような下半身の使い方をしていました。平野もメジャーのマウンドの高さや硬さを考慮し、自分なりにアジャストした結果でしょう。傾斜を利用してボールに角度をつけているので、決め球のスプリットがより効果的になっている。日本時代はコースを狙いながら、スライダーもうまく使おうという投球だったが、現在は直球とスプリットしか投げていません」
日本に比べてストライクゾーンが広く、球種を絞ったことで精神的にも余裕が生まれた。実際、米野球データサイト「ファングラフス」によれば、平野の投球割合は直球が約54%、スプリットが約45%と、ほぼこの2種類しか投げていない。直球は平均148キロ、スプリットは同134キロながらも、角度とキレのあるスプリットが功を奏しているのだろう。
平野は昨年のWBCに出場し、6試合で好投。当時、代表の投手コーチを務めていた権藤博氏も日刊ゲンダイ本紙連載で、「当初はここまで頼りになるとは思わなかった。(中略)試合中、『次は誰でいきますか』と聞いてくる小久保監督に『平野に準備をさせています』と答えると、実にうれしそうな顔をしてうなずくのが印象的だった」と語っている。
年齢や日本での成績なんて、アテにならないものだ。