中国企業が宣伝ジャックするW杯で「レグザ」広告のなぜ?
24日のセネガル戦では深夜帯にもかかわらず、視聴率30.9%(関東地区=ビデオリサーチ調べ)という高い数字をマークし、俄然盛り上がりを見せているサッカーW杯。日本選手がゴールを追う姿に一喜一憂する中で「あれは」と目を奪われる表示が……。ピッチサイドの広告看板に〈REGZA 4Kレグザ〉〈日本初 BS/CS 4K内蔵テレビ レグザ誕生〉と漢字とひらがな、それにカタカナ入り交じりの日本語が映し出されたのだ。
今大会は中国代表チームは出場していないのに中国企業の広告が目立つ。世界で宣伝活動できる主要スポンサー全12社のうち、3分の1の4社が中国企業というありさまだ。中国メディアなどによると、W杯開催中の中国企業による広告支出は8億3500万ドル(約920億円)で世界ナンバーワン。2位の米国(4億ドル)や開催国のロシア(6400万ドル)が足元にも及ばないチャイナマネーを投入しているという。
日本企業に至っては1社もなく、国際市場における力の差を見せつけられた格好だが、なぜ、レグザ? その謎解きをすると、レグザの生みの親である東芝は昨年11月、テレビ事業を担う子会社「東芝映像ソリューション」を中国家電大手の「海信集団(ハイセンスグループ)」に売却。ハイセンスの傘下に入ることで元子会社が引き続き、日本国内でレグザブランドの開発、販売、保守サービスを行う“苦肉の策”を取った。つまり、今回のレグザ広告はW杯スポンサーとして大会を支援する「海信」枠というわけだ。