岸や雄星は恩恵受けるも…「2段モーション」は投手を選ぶ
リーグトップ10勝(3敗)の広島・大瀬良大地(27)、8勝1敗でもっか7連勝中の楽天・岸孝之(33)。この2人には共通点がある。今季から解禁された「2段モーション」の恩恵を受けているのだ。
岸は両リーグ唯一の防御率1点台(1・80)。13試合の登板で与四死球はわずか15個と制球もいい。昨季は26試合で8勝10敗(防御率2・76)。すでに前年の勝ち星に到達したことになる。森山投手コーチも「2段(モーション)がOKになったおかげで投げ急ぎがなくなって、投げやすくなったんじゃないかと思う。気持ち的な焦りもなくなって、コントロールも安定してきた」と証言している。
冒頭の2人以外に「2段モーションの使い手」として好成績を残しているのが、西武・菊池雄星(27)。先月29日の楽天戦で黒星がつくまで今季8勝無敗だった。5月に40代での完封勝利を収めた中日・山井大介(40)も投げ急ぎが減り、このルールが「吉」と出ている。
一方で結果に結びつかない選手もいる。楽天・松井裕樹(22)だ。投球動作に入ってから一度静止する2段モーションは、打者のタイミングを外すことができ、投手にとっては有利になる。それによって、昨季までは「2段」にならないようフォームを修正していた選手が今季から「2段」に戻したり、キャンプから「2段」に挑戦する者もいた。
松井はかつての「2段」に戻す過程でフォームを崩して不調に陥り(24試合5敗2S=防御率5・01)、先月7日に二軍に落ちた。松井からしてみれば、「ルールをコロコロ変えるな!」と言いたいところだろう。