愛工大名電・倉野監督に聞く スポーツ界パワハラ指導と今

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 ――相手次第ということですか。

「この子は少々叩きのめしても大丈夫、この子は怒っちゃいかん、と見極めないといけない。スランプで打てない子に厳しく接することはある。でも、イップスで投げられない子を叱責すれば、追い打ちになって、余計に苦しませてしまう。苦しみながらも前に向かって進んでいる子には、どん底を味わわせることも必要です。でも、下を向いて落ち込んでいる子に同じことは絶対にダメなんです。ちなみに(OBの)イチローも、どん底から這い上がった選手。昔は投手でしたが、自転車で交通事故に遭ってからは投げるたびに打たれる。もう野球をやめたいと言っていたほどでしたから」

 ――ちなみに、つい手を上げたくなることはありませんか。

「監督になってからは、一度も手を上げたことはありませんよ。二十数年前は、むしろ殴るのが仕事だった(苦笑い)。昔のOBに会うと、『殴られた思い出しかありません』って(笑い)。そういえば、10年くらい前、自衛隊の守山駐屯地で1泊2日の研修を行ったことがあるんです」

 ――部全体でですか?

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