体操パワハラ騒動 塚原夫妻“全面降伏”の裏側と協会の本音

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 長くアマチュアスポーツを取材している元産経新聞運動部長の津田俊樹氏(国士舘大政経学部非常勤講師)が言う。

「現在、五輪競技の国際連盟でトップに立っている日本人は、体操の渡辺会長ただ1人です。2016年の会長選で次点に80票以上の大差をつけて当選。日本人が国際競技団体の会長に就くのは1994年まで国際卓球連盟会長を務めた荻村伊智朗氏以来、22年ぶりのことだけにメディアにも快挙と報じられました。その渡辺会長が10月のIOC総会でIOC委員に選出されることがすでに内定しています。日本人のIOC委員は現在、竹田恒和JOC(日本オリンピック委員会)会長のみ。渡辺会長が2人目となれば、当然、世界における日本体操の発言力が増す。そういうときに、お膝元の日本協会でパワハラ騒動が持ち上がった。渡辺会長にとっても体操協会にとっても、好ましいことでないのは確かです」

 第三者委員会からどのような調査結果が出るかはともかく、塚原夫妻、特に「女帝」と畏怖される千恵子本部長の存在はかねて、協会内でも問題になっていた。40年以上も女子体操の強化現場に身を置いてきたことで、権力が集中。周りの忖度もあって、大きな影響力を保持するようになった。仮に宮川へのパワハラが事実認定されなくても、あまりに強大になったその存在自体が今回の騒動を引き起こしたのは事実だろう。これを機に塚原夫妻を駆逐したい――これが協会の本音だともっぱらだ。

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