貫禄勝ちも五輪5連覇に暗雲 伊調馨と周囲の変わらぬ温度差
田南部氏は現在、伊調が練習拠点とする日体大で外部コーチを務めているものの、本職は警視庁第6機動隊の職員。日常の業務があるため、日体大の練習に顔を出せるのは週3日程度だ。日本協会の肩書もなく、公務員の立場上、伊調の選任コーチを務めるわけにはいかないのだ。
田南部氏による指導を願う伊調について所属先であるアルソックの大橋正教監督は「(伊調)本人も分かっていると思いますが」と前置きし、こう話した。
「いつまでも田南部コーチに見てもらっているのではなく、自分で考えてやれるようにしなくてはダメ。各所属の問題でもあるので、(田南部コーチに指導を求めるのは)わがままでしかない」と、ひとり立ちするよう求めた。
田南部氏は栄和人前日本協会強化本部長によるパワハラを告発した一人。同氏に嫌悪感を抱いている日本協会関係者は少なくない。
「いつまでも協会と敵対するより、田南部氏と決別し単独で東京五輪を目指した方がいいのでは」とは、伊調を心配する関係者だ。