至学館レスリング部監督へ加速で…吉田沙保里が“逃す椅子”
「霊長類最強女子」の肩書がひとつなくなった。
女子レスリング五輪3連覇の吉田沙保里(35)が母校である至学館大学副学長を8月末で辞任していた。職員としての籍は残り、同大レスリング部のコーチも続ける。
吉田はリオ五輪後の2016年11月、副学長に就任。至学館の広告塔として活動してきたが、監督だった栄和人氏が五輪4連覇の伊調馨らへのパワハラ行為で解任されると、監督のポジションは空席のまま吉田を含む複数コーチの集団指導体制へ。東京五輪まで2年を切った今年8月、大学は「競技と指導に集中したい」という吉田の意思を尊重し、副学長辞任を了承したという。
これで早まりそうなのが吉田のレスリング部監督就任だ。
「あり得ると思います」
栄監督を解任した際、こう言って吉田が監督の有力候補であることを認めた谷岡郁子学長は「副学長(吉田)とも、どんなチームをつくっていきたいかを話し合って、今後のことを決めていきたい」と語っていた。吉田が指揮を執ることは、「女子レスリングのナショナルトレーニングセンター」ともいわれる至学館にとって、この上ない宣伝効果がある。副学長という広告塔から退いた今、学校側は吉田のために監督の椅子を温めて待っているに違いない。