日ハム吉田輝星の原点 「投球フォーム」に託した父の願い

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 小学1年のある日、庭でキャッチボールをしていると、輝星は下手投げでボールを投げ返してきた。正樹さんはそのときから、キャッチボールをただの遊びとしては見ていなかった。

「そういう投げ方をするなら、二度とキャッチボールしないぞ!」

 こう言って叱り飛ばすと、輝星はびっくりしたように、泣きじゃくった。

「叱るのもどうかと思ったんですがね」

 正樹さんは苦笑いを浮かべながら、当時をこう振り返る。

「この先、野球をやるならしっかりと投げ方を教えておきたかった。最初が肝心だと思っていました。泣きながらも『キャッチボールがやりたい!』と言ったとき、この子は何があっても野球をやり続けるんじゃないかと思いました」

 輝星には、きれいなバックスピンがかかった球を投げられる投手になってほしかった。ボールの握り方から手取り足取りで教えた。

 上から真っすぐ腕を振り下ろす――。浮き上がるようにホップするストレートの原点といっていい。

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