著者のコラム一覧
田口光久サッカー解説者

1955年2月14日生まれ。秋田県出身。秋田商高から三菱(現浦和)入り。76年に日本代表入りを果たし、日本代表Aマッチ59試合に出場。B、Cマッチを含めると161試合で代表守護神として活躍した。現役を引退する84年まで代表主将を務め、引退後は秋田経法大付属高、青森山田高、遊学館高、国際学院高サッカー部監督を歴任した。

鹿島ACL優勝で思い出す アジアユース決勝の仰天スタジアム

公開日: 更新日:

 鹿島が、ACL(アジア・チャンピオンズリーグ)決勝でイランの強豪ペルセポリス相手に見事な戦いを見せた。第1戦を地元で戦って2―0で勝利し、敵地での第2戦(11日)はスコアレスドロー決着。粘り強い戦いでアジア王者の称号を手繰り寄せた。

 特に第2戦はタフな戦いだった。公式記録の10万人を「オーバーしているのでは?」と思わせるような大観衆が、鹿島選手に向かって敵意むきだしの声援を送っている。そんな中でシュート数は鹿島の7本に対してペルセポリスは17本。無失点に抑えた鹿島は堂々のアジア王者と言っていい。

 実は、試合会場のアザディ・スタジアムには強烈な思い出がある。

 1973年4月にイランの首都テヘランで開催されたアジアユース選手権に出場した。決勝の相手はホスト国イラン。スタジアムに到着して仰天した。機関銃を持った兵士が立ち並び、ピッチでは男性ばかりのサポーターが野太い声で怒鳴るように叫んでいる。言葉は分からなくとも、日本を罵倒していることは分かった。「勝ったら生きて帰れない」と思ったが、キックオフと同時に杞憂に終わった。地元サポーターの後押しを受け、鬼のような形相で攻め込んでくるイラン選手。完全に腰が引けた状態で守っている日本選手。0―2というスコア以上の試合内容で完敗に終わった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇