鹿島ACL優勝で思い出す アジアユース決勝の仰天スタジアム
鹿島が、ACL(アジア・チャンピオンズリーグ)決勝でイランの強豪ペルセポリス相手に見事な戦いを見せた。第1戦を地元で戦って2―0で勝利し、敵地での第2戦(11日)はスコアレスドロー決着。粘り強い戦いでアジア王者の称号を手繰り寄せた。
特に第2戦はタフな戦いだった。公式記録の10万人を「オーバーしているのでは?」と思わせるような大観衆が、鹿島選手に向かって敵意むきだしの声援を送っている。そんな中でシュート数は鹿島の7本に対してペルセポリスは17本。無失点に抑えた鹿島は堂々のアジア王者と言っていい。
実は、試合会場のアザディ・スタジアムには強烈な思い出がある。
1973年4月にイランの首都テヘランで開催されたアジアユース選手権に出場した。決勝の相手はホスト国イラン。スタジアムに到着して仰天した。機関銃を持った兵士が立ち並び、ピッチでは男性ばかりのサポーターが野太い声で怒鳴るように叫んでいる。言葉は分からなくとも、日本を罵倒していることは分かった。「勝ったら生きて帰れない」と思ったが、キックオフと同時に杞憂に終わった。地元サポーターの後押しを受け、鬼のような形相で攻め込んでくるイラン選手。完全に腰が引けた状態で守っている日本選手。0―2というスコア以上の試合内容で完敗に終わった。