白鵬が帰化決断 稀勢の里凋落でモンゴル勢が土俵“再支配”
もちろん、過去すべてのモンゴル人力士が親方になったわけではない。朝青龍や日馬富士は不祥事で引退し、八百長騒動でも数人がクビになった。
しかし、円満引退した者で、年寄の名跡条件である「三役を1場所以上、あるいは幕内通算20場所以上、あるいは十両と幕内で合計30場所以上」を満たした力士は、いずれも親方になっている。
白鵬にとっては、天敵だった貴乃花が相撲協会を退職したことも追い風だ。なにせ、昨年の暴行事件直後は「貴乃花親方が巡業部長(当時)なら、巡業に出たくない」と発言。白鵬の貴乃花嫌いと同時に、その傲慢さもあらわになった。
「仮に白鵬が理事になれば、真っ先に外国人力士の門戸拡大に動くでしょうね。現在、外国人力士は1部屋1人が原則だが、白鵬は昨年、『(モンゴルには)相撲が好きな子がたくさんいる。制度をなくしたい』と話していた。外国人枠をなくしたら、モンゴルからこれまで以上に大量に力士がやってくるのは確実。そのすべてが白鵬を支持するわけだから、大変な勢力になる。さらに『日本国籍を取得せずとも親方になれる』よう、協会に働きかけるかもしれない。自身も母国の国籍を捨てる決断をするまで時間がかかったように、誰もが帰化に踏み切れるわけじゃない。勢力拡大のため、あの手この手を打ってくるでしょうね」(前出の親方)