真央以来の快挙 紀平梨花“3Aの先”が生んだ強心臓と対応力
強心臓を見せつけた。
日本時間9日、フィギュアスケートグランプリ(GP)ファイナルのフリー(FS)が行われ、紀平梨花(16)が優勝した。シニアデビュー1年目のファイナル優勝は2005年の浅田真央以来13年ぶりの快挙。2位につけていた平昌五輪金メダリストのザギトワ(16)を置き去りにした。
注目を集めたのは紀平の代名詞、トリプルアクセル(3A)。ジャンプそのものより、その対応力が光った。冒頭、3A+トリプルトーループ(3T)の連続ジャンプを予定するも、3Aで両手をついて失敗。すると、続く3Aを3A+2Tのコンビネーションに変更し、完璧に着氷した。その後も自らの判断でトリプルルッツ(3Lz)+2Tのコンビを3Lz+3Tにグレードアップ。FSで6種類の3回転を成功させ、「焦らず、緊張も集中に変えられた」と振り返った。
■常に構成を考えながら
16歳らしからぬ冷静すぎる判断はどこからくるのか。スポーツジャーナリストの梅田香子氏は「紀平選手の置かれている環境が大きい」と言ってこう続ける。