真央以来の快挙 紀平梨花“3Aの先”が生んだ強心臓と対応力
「紀平選手は、練習では4回転サルコーを跳べます。3Aよりもさらにハイレベルな技を練習する環境にいるため、本番でも余裕を持ってとっさの対応ができる。構成に関しても『この構成で失敗したら、こうカバーしよう』ということを常に考えながらやっています。紀平選手自身、頭も良い。ご両親は特に厳しくなく自分でとことん突き詰めるタイプ。お姉さんがスケートでうまくいかなかったことが教訓になっている部分もあります。体重管理や意志のコントロールができるのです。中野友加里さん、浅田真央さん、村上佳菜子さんも姉がスケート経験者です」
紀平を指導する浜田美栄コーチはこれまで、宮原知子(20)ら多くのトップ選手を輩出してきた。その浜田コーチの努力も実を結んだ。
「浜田チームのジュニアは、すでに3Aを跳べる選手がたくさんいます。その一方、シニアになって跳べなくなる選手も。浜田先生はそれを変えようと外国人コーチを招聘したり、恒例の1カ月間の海外夏合宿の場所を例年の米コロラドから変えて、(トリノ五輪銀メダリストの)ステファン・ランビエールの元へ行ったりもしていました。その成果か、浜田チームの選手は2年ほど前からジャンプの跳び方が明らかに変わりました。以前は肩が前かがみの状態で入っていたのですが、肩を後ろに引いて胸を張って跳ぶ姿勢に変わった。紀平選手もそのひとり。このフォームに修正したことで余裕を持って軽く跳んでいるように見えます」(梅田香子氏)
メンタルの強さと対応力は「真央以上」だ。