最速152キロ左腕 横浜・及川雅貴の行く手は雄星か辻内か
中学時代、侍ジャパンのU15日本代表でエースを務めた及川雅貴。鳴り物入りで横浜(神奈川)に入学すると、1年春から登板し、1年夏、2年夏の甲子園に出場した。最速152キロ。
昨夏の段階で西武・渡辺SDが「体ができてくれば菊池雄星クラス」と太鼓判を押す高校ナンバーワン左腕である。
パ・リーグ某球団スカウトは「他の3人は右だが、左投手なのはプラス。左で球速が150キロを超えることもあるのだから、大きなアドバンテージになります」とみる。
ただ、今春のセンバツをかけた昨秋の関東大会で打ち込まれたように、大事なところで勝ち切れない一面もある。本紙で「鬼の秘伝書」を連載している横浜の元部長・小倉清一郎氏はコラムで「素材は一級品」とした上で「投球フォームで大事なのは、投げた後にいかに腕を振り切るかという『前』なのに、『後ろ』が大き過ぎてリリースして終わり。球にキレがないから、常時140キロ台でも空振りが取れない。後ろが大きいと打者がタイミングを取りやすい。握り方に問題があり、いい球と悪い球のバラつきが大きい。武器になっているキレのあるスライダーは60%以上はボール球」と指摘している。
前出のスカウトが言う。
「とにかくコントロールが悪い。10三振を奪っても5四球を与える投手。菊池雄星か巨人にいた辻内崇伸(ドラフト1巡目ながら一軍公式戦未登板)になるのか。これからが分かれ道です」