雄星は例外…なぜ野球選手はサッカー選手より語学力に劣る
独協大准教授の中西貴行氏(英語教育学)は言う。
「野球は球種ひとつとっても、ストレートは『ファストボール』、カーブは『ブレーキングボール』。フォアボールも『ウオーク』と違った言い方をする。和製英語が通用しないケースは多い。これらは単語なのですぐに解決できる問題で、通訳が隣で話す言葉に耳を傾ければ自然と身につく。ただ、通訳にベッタリのままではそれもなく、言葉が通じないと英語を話すことを諦めてしまえば、外国人との壁もできてしまいます」
「目標設定の違い」もデカい。
まずは高校野球の甲子園、そして日本のプロを目指す野球に対し、サッカーは最初から世界を目標にすることが多い。久保建英(17)が10歳からFCバルセロナの下部組織でプレーしたように、国外チームへの門戸が早い段階から広く開かれている。野球はいわゆる「田沢ルール」の壁があり、プロを避けて通りにくいのが現状。高校時代からメジャー挑戦を表明していた大谷も結局、プロで5年間を過ごしたのち渡米した。そんな背景もあって、野球は「活躍すること」より「行くこと」が目標になりがちだ。