ラグビーW杯“不人気チケット”はアジア市場が完売の切り札
今年9月20日に開幕するラグビーW杯日本大会。去る19日には一般向けチケット先着販売を開始した。
今大会、販売が予定されているのは11月2日の決勝(横浜国際総合競技場)までの全48試合で約180万枚。大会組織委と国際統括団体ワールドラグビー(WR)が90万枚ずつを分担で販売し、昨年11月まで実施された抽選販売で102万枚が売れた。
売り上げは200億円に達するなど、ここまで売れ行きは順調とみてよさそうだが、楽観視できない。
今後、組織委はWRがさばき切れなかった一部(約28万枚)を押し付けられるといわれる。現状では開催都市、対戦カードによって売れ行きが芳しくないケースもあり、9月の開幕までに完売に向けて奔走することになる。
全てのカードでスタジアムを満員にすることを目指している組織委が販売網の一角と見込んでいるのがアジア市場だ。
特に香港とシンガポールは日本同様、ラグビー人気が高い。香港では、以前から7人制が盛んで毎年、WR公認大会のセブンズシリーズのひとつである「香港セブンス」を開催。シンガポールでは、一時は南半球最高峰リーグのスーパーラグビー(SR)への参入を目指し、現在、SRの公式戦が実施されるなど、根強いファンは少なくない。
香港、シンガポールのファンは富裕層が多いことから、組織委ではアジア初のラグビーW杯を売りに、積極的なセールスを図るという。
周辺諸国からの訪日客を見込んでいるが、アジア市場での販売が苦戦すれば、地方会場のカードは閑古鳥が鳴く事態にもなりかねない。