日本粘りでアジア杯8強も サウジ戦「勝っただけ」と苦言も
「サウジのピッツィ監督は、アルゼンチン生まれの元スペイン代表。現役時代にバルセロナなどでプレーした。17年11月にサウジ代表監督に就任すると伝統の堅守カウンターではなく、ボール支配率を高めて試合の流れを引き込むサッカーに方針転換。日本にとっては、これがラッキーに働いた。サウジ背番号19のFWファハド、背番号9のFWモハンメドはスピードもあり、彼らが高速カウンターで日本守備陣の背後を突いてきた方が、日本は失点のリスクが高まったでしょう」
試合後の会見で森保監督は「選手たちは頭も足も止めず、粘り強く戦ってくれた」とホッとした表情で話したものの、ドイツサッカー連盟公認S級コーチの鈴木良平氏は「収穫は<ただ勝っただけ>です。近年まれに見る低調な試合。問題山積です」とこう続ける。
「前半が終わり、後半に向けて何らかの打開策を講じるべく、ハーフタイムに具体的な指示が与えられると思ったら、前半と同じレベルのサッカーに終始した。そもそも森保ジャパンは、サウジのポゼッションサッカーを事前に研究し、対戦するに当たって選手、チームの長所と短所を詳細に調べ上げ、選手たちにきちんとフィードバックしたのだろうか? 理解に苦しむ試合でした」
8強入りの森保ジャパンは24日の準々決勝で同100位のベトナムと対戦する。格下でも、サウジ戦のような低調な試合をやれば、足をすくわれる可能性もある。