西の甲子園常連出身 高卒新人のフォームいじるべきか否か
けれども、あのフォームのまま、実戦で結果が出るとは思えない。それでも、いじらない方がいいのか?
「知識や自分で考える能力のある選手は、放っておくしかない。壁に当たれば、自分からフォームを変えるだろうし、いよいよ自分の手に負えなくなれば、コーチに聞きにくるさ。あのタイプは、選手の方から聞いてくるまで、さわらない方がいいんだ」
■特徴を把握して首脳陣と相談
ウチの球団が、原則として投手も野手も新人のフォームをいじらないのは主にそんな理由からだろう。いいものがあるからドラフトで指名したわけだし、とりあえず本人のスタンスを尊重しようということか。本人から助言を求めてくるまで我慢しなきゃならないとはもどかしい話だが、「あのタイプ」と言うからには、そうじゃないタイプもいるのか。
「基本的なことをまったく教えられずにプロ入りしてきた連中は別さ。そんなのがドラフトされるかって? 地方の公立校出身者には、すべて自己流でやってきたのが結構いる。特に野手は、足と肩が飛び抜けていれば、それだけで獲得するケースも多いからな。そういうやつらはむしろ、いきなりいじってやるべき。何が正しいのか分からないんだから」