お互いをライバル視…一筋縄ではいかない新人選手の契約金

公開日: 更新日:

 何年か前、ドラフト当日の話だ。ウチが高校生右腕をドラフト3位で指名した。担当はオレ。パソコンオタクのエラいさんは「四球数が……」とか言って渋ってたみたいだけど、部長に猛烈にプッシュした甲斐があったってもんだ。

 オレは控室で指名を確認。苦労が報われたとホッとしたのも束の間、折り返しの4位で金満球団がある高校生右腕を指名したから、顔色が変わった。

 同地区にいる似たタイプの右腕で、お互いをライバル視してる。こっちは伸びシロや将来性を加味しての3位だが、実績や知名度は金満球団が指名した右腕の方がはるかに上だ。

 どうしよう……。真っ先に頭に浮かんだのは契約金の額だ。3位の高校生なら5000万円、4位なら4000万円が相場だが、なにしろ向こうにはカネがある。3位指名のこっちが5000万円なのに、4位の向こうが6000万円というんじゃ、ウチが指名した高校生右腕も、右腕を育てた野球部の監督も、ウチの球団も立場がない。

 会議が終了。控室で指名あいさつの打ち合わせが終わった後、部長に相談したよ。ウチは常識的な額しか出せないし、仮に3位の契約金が4位より安かったら面倒なことになるんじゃないかってね。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…