センバツ用にピックアップした投手がリストから外された理由

公開日: 更新日:

「おまえさぁ、まさか本気であのピッチャーをリストに載せたわけじゃねーよな」

 センバツ期間中のことだ。部長から珍しく晩飯を誘われたもんで、てっきり、寒い中、ご苦労さんとねぎらってくれるのかと思ったら、梅田の居酒屋に入るなり説教だった。

 部長の言う「あのピッチャー」とは、140キロ超のストレートを投げながら初戦で敗退した右腕のこと。オレの担当地区の選手だし、昨秋の時点でかなり速い球を投げていたから磨けば光ると思ってリストアップしたんだ。

「ありゃ、完全に野手の投げ方じゃねーか。東邦の石川もそうだけど、体の開きが早いから腕も早く前に出て、リリースポイントが丸見えだ。あれじゃ、いくら速い球を投げてもつかまるさ。悪いが、リストから外すからな」

 そうはいっても、大学や社会人に行ってから良くなる可能性だってあるでしょ?

「いや、基本的な投げ方やフォームがなってないヤツは、どこまで行ってもダメさ。どれだけ体を鍛えようが、筋肉を付けようが、あの野手の投げ方自体が変わるわけじゃないからな。それよか星稜の奥川や横浜の及川がいいのはだれでも分かるけど、同じ初戦敗退でも面白いのがいただろ?」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ダウンタウンDX」終了で消えゆく松本軍団…FUJIWARA藤本敏史は炎上中で"ガヤ芸人"の今後は

  2. 2

    大阪万博「遠足」堺市の小・中学校8割が辞退の衝撃…無料招待でも安全への懸念広がる

  3. 3

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

  4. 4

    フジ経営陣から脱落か…“日枝体制の残滓”と名指しされた金光修氏と清水賢治氏に出回る「怪文書」

  5. 5

    【萩原健一】ショーケンが見つめたライバル=沢田研二の「すごみ」

  1. 6

    中居正広氏の「性暴力」背景に旧ジャニーズとフジのズブズブ関係…“中絶スキャンダル封殺”で生まれた大いなる傲慢心

  2. 7

    木村拓哉の"身長サバ読み疑惑"が今春再燃した背景 すべての発端は故・メリー喜多川副社長の思いつき

  3. 8

    大物の“後ろ盾”を失った指原莉乃がYouTubeで語った「芸能界辞めたい」「サシハラ後悔」の波紋

  4. 9

    【独自】「もし断っていなければ献上されていた」発言で注目のアイドリング!!!元メンバーが語る 被害後すぐ警察に行ける人は少数である理由

  5. 10

    上沼恵美子&和田アキ子ら「芸能界のご意見番」不要論…フジテレビ問題で“昭和の悪しき伝統”一掃ムード