初登板初勝利も直球勝負 日ハム輝星“賭け”に勝ちっぱなし
セ・リーグ首位の広島打線に臆することなく、直球中心のガチンコ勝負を挑んだ。初回に安打と2四球で1死満塁のピンチを迎えるも、「打たれたらしょうがないという気持ちで速球で押した」(吉田)と西川を空振り三振。無失点に抑えた。セ屈指の強打者である鈴木に対しては、8球すべて速球を投じ、1打席目は四球に終わったが、2打席目は外角速球で右飛に打ち取った。鈴木は試合後、「指にかかったストレートは見たことがない球だった」と言った。この日の84球のうち実に直球は67球。日ハムOBがこう話す。
「吉田はこれまで二軍で9試合に登板し、0勝3敗、防御率4.15と決して褒められた成績ではない。ただ、吉田はほぼストレートだけで勝負してきた。ことあるごとに『一軍へ行きたい』と話していた吉田とすれば、当初から結果を求めてスライダーやカーブなどの変化球を交えるなど、いわゆる勝てる投球をしてもよかった。それでも、まずは真っすぐの質に磨きをかけることが一軍昇格の近道、さらには一軍で生きていくために必要だと考えた。打たれたらそれまで、という割り切りがそれを可能にし、その決断が6月の一軍デビュー、初勝利につながったといえます」