奪三振率はセ首位 藤川球児の活躍から見える阪神メソッド
かつて一世を風靡した松坂世代の名選手が次々に姿を消していく中、まさに孤軍奮闘といった様相で今もなお活躍しているのが阪神の藤川球児だろう。全盛期は火の玉ストレートとうたわれた剛速球を武器に、球界を代表するクローザーとして数々の偉業を打ち立てた藤川も、早いもので来月39歳になる。普通ならベテラン然とした老獪なスタイルで晩年を過ごす年齢だが、藤川の場合は今も阪神リリーフ陣の支柱であり続けている。
6月15日現在、23試合すべてにリリーフ登板して、4勝0敗12H、防御率1.52。14日のオリックス戦で失点するまでは18試合連続無失点という、全盛期みたいな記録を継続していた。矢野監督がクローザーとして起用しているドリスが28試合の登板で3勝2敗13S、防御率1.61だから、これとほとんど遜色ない。
数字だけ見れば、藤川がかつてのような虎の守護神に君臨し、今ごろ名球会の入会資格基準である通算250セーブに迫っていたとしてもおかしくないわけだ。
で、ここまでは過去にもしばしばあったベテランの奮闘劇といったところだが、藤川の今季の成績をつぶさにチェックしてみると、あることに気づいた。セ・リーグ各球団の主要リリーフ投手を20試合登板以上に設定した場合、藤川の奪三振率(13.69)はトップなのである。