奪三振率はセ首位 藤川球児の活躍から見える阪神メソッド
なお、2位は広島・フランスア(29試合登板)で12.16、3位はDeNA・パットン(21試合登板)で11.84だから、藤川はいわゆる断トツである。パ・リーグでは楽天の若きクローザー・松井裕樹が34試合の登板で15.03という超人的な奪三振率を誇っているものの、彼以外に藤川のそれを上回る投手はいない。リリーフ投手の適性とされる三振奪取能力においては、藤川はプロ21年目で不惑間近の今も、球界最高峰に位置しているようだ。
■お総菜の小鉢
それにしても、阪神のリリーフ陣にはこの藤川の他に同じくベテラン左腕の能見篤史、さらにジョンソンとドリスの両外国人が控えており、今季も抜群の安定感を誇っている。00年代中期にその名を轟かせたJFKの時代以降、阪神リリーフ陣はその姿や形を少しずつ変えてはいるものの、安定感はずっと維持されているのだから、それはそれで感心してしまう。
阪神という球団は先発完投型の大エースや長打力のある4番打者を育成・発掘することは苦手かもしれないが、その一方でリリーフ投手の発掘・育成・整備や、ついでに言うと脇役タイプの小兵野手を育成することに関しては、球団としての高度なメソッドでもあるのではないか。なんというか、メインの料理はないけど、お総菜の小鉢はどれもおいしい店みたいな感じがする。