新リーダー柴崎の劇的成長と若い世代の一体感を感じた大会
「岳はもともとそんなに喋るタイプじゃないけど、うまく会話を作るようなこともしていた。そこは今までの彼とは違っていました」と川島も驚き半分に言うほど、新リーダーは短期間で劇的な成長を遂げた。川島や岡崎とともにW杯3大会を経験した長谷部誠(フランクフルト)という絶対的リーダーが去って1年。森保ジャパンでは新主将・吉田麻也(サウサンプトン)をサポートする彼のような中堅世代以下のけん引役が育ちつつある。それは大きなプラス要素と言っていい。
柴崎のみならず、今回副キャプテンを務めた冨安健洋(シントトロイデン)も20歳とは思えない統率力を示したし、2016年リオデジャネイロ五輪に出場した植田直通(セルクル・ブルージュ)らも自覚を持って振る舞った。今回参加していない昌子源(トゥールーズ)もリーダーの資質のある選手。そういう人材が増えてきたのは今後の代表強化を考えても間違いなく追い風だ。
正直、筆者は長友佑都(ガラタサライ)や大迫勇也(ブレーメン)など“飛車角落ち”の日本代表のコパ・アメリカ参戦には違和感を覚えていた。が、ベテランと若手がともに南米の地で戦った今大会は決して無意味なものではなかった。この地を踏んだ面々が今後どう変貌を遂げていくか。それを興味深く見守りたい。
(終わり)